SHOWER MARK

Reiko Matsuo

松尾 麗子

Reiko Matsuo

松尾 麗子(Reiko Matsuo)。神奈川県横浜市出身。東京造形大学卒業、イラストレーション青山塾修了。雑誌・文芸誌の挿画、アパレルブランドのTシャツ・グッズ、広告等で活躍中。ストーリーのある人物画を得意とする。

  • 2010年個展「のぞきみ」at HB gallery
  • 2014年個展「食べる、話す、見つめる。」at NO.12 GALLERY
  • 2015年個展「ていねいに生きる」at NO.12 GALLERY
  • 2016年個展「ていねいに生きる、日々」at C7C gallery and shop
  • 2016年個展「Neighbors」at A.S ANTIQUES GALLERY

www.matsuoreiko.com

Artist Interview

SHOWER:THE SHOWER GALLERYの1回目となる展示はイラストレーターの松尾麗子さんによる展示です。松尾さん、どうぞよろしくお願いします。

Matsuo:宜しくお願いします。

SHOWER:松尾さんがイラストレーターになったきっかけは何だったんですか?

Matsuo:グラフィックデザイン専攻だった学生時代、特に前半は最初に買ったMacがフロッピー時代という、今ほどパソコンでものを作る時代ではなかったので、絵を描いたりアナログで何か表現することに重きを置いていました。
周りの友人も絵のコンペに出していたりして、自分の個性を確立するには絵を描かなくてはいけない雰囲気が(自分の中で勝手に)あって、まずはイラストレーターになろうというより自分の絵を手に入れようと思ってイラストレーション青山塾に通い始めました。

SHOWER:イラストレーターになる前の職業は何をされていたんですか?

Matsuo:グラフィックデザイナーです。クリエイティブというより割と商業的なものを作ってましたね。

SHOWER:イラストレーターの学校である青山塾での経験は、どう生かされていますか?

Matsuo:最初は絵を描くのはもちろん、見る力もなくて、他の人の絵をあんまり良いと思えず、もちろん好きな絵もたくさんあるのだけど、結構「なんだこれ?」って思っていました。先生や他の人が褒めているのを見て多々衝撃を受けていました。そのうちに自分の好き嫌いは置いておいて、段々良い絵は何たるかというものが身についていきました。一人で描いていたら手に入れられなかった感性やタッチはそういうところから徐々に盗むというか身につけていった気がします。
あと、よく覚えているのが先生の一人が「私のこと嫌いかもしれないけど、言わせてもらうわ!」と授業中にみんなが黙々と絵を描く中、私の横に立って色々アドバイスをくれたことです。「嫌いじゃないのに嫌いなことになっている」と不思議に思いつつ、その時はシーンとした状況でみんなの意識がこちらに向いている恥ずかしさで「あっちへ行って欲しい」と思っていたのをよく覚えています。もちろん今となっては先生方のお言葉は宝となっています(笑)。

SHOWER:アドバイスはとてもありがたいですけど、変な注目が集まると恥ずかしいですもんね(笑)。
生活していく上で大切にしていることはありますか?

Matsuo:時間はあっという間に過ぎて行くので、ていねいに生きること。自分が“やりたい”かどうか、楽しいかどうか。年々体力のなさと時間の流れの早さに焦っているので、なるべくネガティブなことに時間を取られないように気をつけています。と言いつつ1日寝巻きでゴロゴロするという無駄な過ごし方も嫌いじゃない(笑)。

SHOWER:ゴロゴロして息抜きする時間も大切ですよね(笑)。
今回の個展にも、そういった日常が切り取られているのかと思うのですが、タイトルの「人と人の。」に込めた意味を教えていただいても良いでしょうか?

Matsuo:日常の生活で起こるクスっと笑える人々のシーンを描きたかったので、このタイトルにしました。でも、毎回人をテーマに描いているので正直タイトルのネタが減ってきて次どうしようという感じです…。

SHOWER:展示の度にタイトルを考えられるのは大変そうですね…。今回は初めてのワークショップを行いましたが、やってみていかがでしたか?

Matsuo:自分が普段好き放題にやっていることを人に口に出して説明するのは難しかったです。反省点ばかりで、みなさんが楽しんでいただけたか心配です…。

SHOWER:そんなに心配されなくても、みなさん楽しまれてましたよ(笑)。

SHOWER:構図や色を決めていくときに意識されることはありますか?

Matsuo:あまり状況説明しすぎないように、見る人がそれぞれでストーリーを作ってもらえるようにしたいと思っています。
色は明度差がある方が好きなのでそのように意識していますが、明度差がなくても素敵な絵を描く作家さんの作品をたまにじっと見て参考にしてしまいます。それでも、やっぱり気に入った色ばかり使ってしまいますね。

SHOWER:松尾さんの描くイラストには、シュールな場面を切り取ったものがありますが、普段の生活の中で意識的に人の動きなどを観察されていたりするのでしょうか?

Matsuo:特に観察しようと思ってませんが、変な人を見かければ友人に話してその変な部分のシュールさを共有して笑います(笑)。共有して一緒に笑う友人がいたから、このシュールさを切り取る力は養われた気がしますね。

SHOWER:今後、描いていきたい絵やテーマはありますか?

Matsuo:やっぱり人かな。人種の違いは特に気にして描いてこなかったけれど、もしかしたらとても偏った見方で描いているのかもしれない。なので、人種や宗教間、文化をもう少しミクスチャーして、なおちょっとクスっとくる世界観が描けたらなと思います。

SHOWER:文化や人種を超えてクスッと笑える世界観が広がっていくのを楽しみにしています。本日は、ありがとうございました。

※本インタビューは、2017年6月16日のアーティスト・トークを記録・編集したものです。

Date:2017.6.16

Interview by THE SHOWER GALLERY

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